[1999.09.07]
  世紀末の救いとしての個人認証


 ▼バイオメトリクスによる認証が実用段階へ(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9909/06/bio.html


 「このマシンのユーザー登録をしなさい。話しかけてごらん」。「ハロー,NAVI」。『Authorized User』。「…これで,このNAVIは‘お前’のものだ」。本当の意味での,オーサライズの確立。

 指紋技術や音声認識による個人認証システムが,実用間近となっている。ベレディーコム社は,BIOSで指紋によってPC起動時のユーザー認証を行う技術,OpenTouchの開発に当たっているが,40ドル程度の価格で,今年後半の出荷を予定している。インテル社も,ハードウェア的にオープンタッチの採用を検討している。米国アップル社は,10月に出荷予定のマックOS 9でセキュリティスイートの一部として音声認証パスワードをサポートする。

 記事中にもあるように,ユーザー認証には大きくわけて3つある。磁気カードやICカードなどの物理的なモノを利用する所持品認証,暗証番号やパスワードなど数字や文字の羅列を利用する知識認証,そして,指紋や声紋,網膜パターンなど個人の肉体的特徴を利用する個人認証,である。現代のPC,ネットワークは100%,知識認証に頼っており,それがいちばん信用性の低いものであることはご存知の通り。

 なら,せめてその前のPC起動時に,となるのだが…。マックでいえば,起動時にパスワードでアクセスを制限するソフトはいっぱいあるが,どれもこれもたいしたことない。簡単なものは機能拡張を読み込まずに立ち上げることでクリアできるし,それを阻止するものでも,OSのCD-ROMなどで起動し,認証機能を解除してしまえばいい。今まで価格的に実用的でなかった個人認証が,非常に危うい現代のセキュリティーにやっと舞い降りてきたのは,ひとつの救い,であるかもしれない。とりあえず,ノートパソコンが盗まれる心配が減るかな…(^^ゞ。


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